2026.02.16
研究開発

米国食品医薬品局が、再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)に対するチラブルチニブの新薬承認申請を受理

  • 第Ⅱ相PROSPECT試験の良好な結果に基づき申請
  • 新薬承認申請の審査終了目標期日は2026年12月18日

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、米国時間2026年2月13日 に米国食品医薬品局(FDA)が当社の完全子会社である Deciphera Pharmaceuticals, Inc.(米国マサチューセッツ州、以下「Deciphera社」)と開発中の選択性の高い第二世代のブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤であるチラブルチニブについて、再発または難治性(R/R)の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)の治療薬として新薬承認申請(NDA)を迅速承認審査の対象として受理したことをお知らせします。FDAは、処方箋薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を2026年12月18日に設定しました。

 Deciphera社のChief Medical Officerである Matthew L. Sherman(M.D.)は「非ホジキンリンパ腫の一種であるR/R PCNSLは希少疾患で進行が早く、特に予後が悪い病態です。診断が難しいため、患者さんがPCNSLと診断されるまでに時間を要します。そして、診断されると、PCNSL治療において安全性に優れた薬剤への高いアンメットニーズがあります。今回のFDAによるチラブルチニブのNDA申請受理は、R/R PCNSL患者に新たな治療選択肢を提供するという目標に近づくための第一歩となるものです」と述べています。

 当社の代表取締役社長である滝野 十一は、「このたび、チラブルチニブのNDA申請が受理されたことを大変嬉しく思います。これは、私たちのパイプラインの拡充とグローバルスペシャリティファーマとしての目標実現のために重要なマイルストンとなるものです。チラブルチニブは、満たされていない治療ニーズを持つ患者さんに新たな治療選択肢を提供する可能性を持っており、当社の企業理念を具現化するものです。今後も、革新的な医薬品の開発と提供に努め、世界中の患者さんに貢献してまいります。」と述べています。

 このNDAは、2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された 第Ⅱ相PROSPECT試験の良好な結果 に基づいています。この試験において、チラブルチニブによる奏効率は67%、完全奏効率は44%であり、管理可能な安全性プロファイルが示されました。承認されれば、チラブルチニブは米国でR/R PCNSLの治療薬として初めて処方可能なBTK阻害剤となり、Decipheraとしては3製品目の米国における上市品となります。また、現在、Deciphera社はR/R PCNSLを対象とする検証的試験としてグローバル第Ⅲ相無作為化試験の患者募集を進めています。 (ClinicalTrials.gov NCT07104032.)

中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)について

 PCNSLは、脳実質、脊髄、眼球、レプト髄膜に限局し、全身に病変を認めない希少疾患で悪性度の高い節外性非ホジキンリンパ腫(NHL)です。米国でのPCNSLの年間発生率は100万人当たり約5人です。その発生率は65歳以上の免疫不全の人でさらに増加します。PCNSL患者が呈する徴候および症状は病変の神経解剖学的部位により異なり、局所神経障害、神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状、発作、眼症状、頭痛、運動困難、脳ニューロパチー、神経根障害などがあります。PCNSL治療に対して安全性に優れた薬剤に高いアンメットニーズがあり、治療アプローチを支持するデータも非常に限られています。最近、導入治療後に新たにPCNSLと診断された患者の臨床結果は改善していますが、約20%から30%の患者で初回治療が奏効せず、最終的には60%の患者が再発に至ります。R/R PCNSLについての詳細は、navigatingpcnsl.com を参照ください。

チラブルチニブについて

 チラブルチニブは、当社が創製した選択性の高い経口BTK阻害剤であり、B細胞受容体シグナル伝達は、B細胞系リンパ球の生存、活性化、増殖、成熟および分化に関する中心的役割を担っております。
 日本において、当社は2020年3月に「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能または効果でチラブルチニブの製造販売承認を受け、2020年5月にベレキシブル錠®として発売しました。その後、2020年8月に日本で「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」の効能または効果の追加承認を取得しました。韓国では、2021年11月、台湾では2022年2月に「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能または効果で承認を取得しています。