医薬品は、医療の現場において正しく使われ、病に苦しむ人々のもとに届けられることにより、真に価値のあるものとなります。当社では、エビデンスに裏づけられた的確な情報の提供・収集に加えて、患者さんのニーズや地域の特性に適した治療選択肢をお届けできるよう、市場調査や分析などを踏まえて、学術情報提供活動を行っています。
患者さん本位の視点を持って医薬品の適正使用を推進することで、医療従事者とともに、患者さんとそのご家族のウェルビーイング実現に努めています。
医学的・科学的情報の迅速かつ適切な提供体制
プライマリー領域MRは、より地域に密着したエリア活動が可能な医療圏単位を基本とした営業体制や、各領域が連携したチーム運営に努めています。オンコロジー領域MRは、肺がん・腎細胞がんを中心としたチームと、消化器がん・血液がんを中心としたチームに分けることで、専門性を高め、医療従事者に対する情報の質と量を充実させています。
その他、リモートコミュニケーションMRを配置し、情報提供ニーズの多様化に対応する工夫を行っています。適正使用推進に向け、WEBライブセミナーや学会シンポジウム、エリア講演会などを通じた学術情報提供を併せて行っています。
メディカルアフェアーズ部門では、オンコロジー領域、プライマリー領域それぞれで、高度な専門性および学術知識を習得したうえで、社外医学専門家を中心とした医療関係者との科学的交流によりアンメットニーズやクリニカルクエスチョンを明らかにして、データ創出や情報提供・啓発活動等によってそれらを解決することで、医薬品の価値最大化(=育薬)に努めています。
デジタルを活用した情報提供体制の強化
今般、医療従事者の情報入手経路はますます多様化しています。
そのため、リアルとデジタルを連動させた「オムニチャネル」による情報提供を進めています。
デジタルの活用例として、人工知能(AI)を用いて医療従事者の一人ひとりに適した学術情報提供の提案や、医療従事者向けの診療サポートツールであるAe-NAVIのフリーアクセス化などを行っています。
このほかにも、マーケティングオートメーションを用いて医療従事者のデジタルコンテンツの接触状況に応じた学術情報提供の自動化も進めています。
患者さんに寄り添うための取り組み
当社では、社員向けに患者さんをお招きし、「患者さんの声に耳を傾ける会」を定期的に開催しています。この会を通じて、身体的な側面だけではなく、心理的・社会的側面も含めた患者さんが抱えるさまざまな問題に対する理解を深めることで、医療従事者とのコミュニケーションにつなげています。
また、情報提供において、副作用に関する情報は患者さんの命にかかわる重要な情報です。
当社では副作用マネジメントサポートのために様々なツールを提供しています。
例えば、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けておられる患者さんは「医療従事者に自分の体調を上手く伝えられない」、医療従事者は「患者さんの体調変化を早くみつけたい」というお悩みをお持ちです。これらの課題を解決するために、副作用管理アプリ「ふくサポ」の全国運用を開始しました。
「ふくサポ」を介し、患者さんと医療従事者との双方向コミュニケーションを促進することで、免疫関連有害事象を早期に発見し、医療従事者の適切な対応につなげています。
副作用管理アプリ「ふくサポ」
副作用管理アプリ「ふくサポ」は、使いやすさを重視した、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けている患者さん向けに開発した副作用管理アプリケーションです。
現在、全国の複数の医療機関で導入が行われています。