研究開発

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世界トップレベルの質とスピードで創薬を推進

執行役員/研究本部長
勝又 清至

世界トップレベルの質とスピードで創薬を推進

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執行役員/研究本部長
勝又 清至

当社の創薬の歴史は挑戦そのものです。アカデミアとの共同研究により独創的な創薬シーズを獲得するとともに、最先端技術を有するバイオベンチャー企業との創薬提携により革新的な新薬候補を創製するなど、“超積極的”なオープンイノベーションを推進し、未充足の医療ニーズに応える画期的新薬の創製に挑戦しています。近年は、先駆的な研究で得た膨大な情報をAIで解析・利用することで、新たな創薬シーズの探索、化合物の創製などの短期化を進めており、創薬の成功確率の向上やスピードアップに取り組んでいます。また、共同研究先への留学、研究・創薬提携の機会を探索する欧米拠点への研究員の赴任を積極的に推進し、研究員のレベルアップとエンゲージメント向上を図っています。これからも世界トップレベルの質とスピードで創薬を進められる体制を強化していきます。

創薬方針

研究開発の4つの重点領域

当社の研究開発では、「独創的で画期的な新薬を創製する」創薬方針のもと、医療ニーズの高いがん、免疫、神経およびスペシャリティ領域を重点領域に定め、それぞれの領域でオープンイノベーションを積極的に推進し、ヒト疾患バイオロジーの理解を深めるとともに、医療ニーズを満たし得る新薬の創製を目指して、創薬力の強化に努めています。また、デジタル技術を活用することで創薬研究の質とスピードの向上にも取り組んでいます。2024年6月時点で、重点領域において11個の新薬候補化合物を臨床ステージに進めるとともに、基礎と臨床の橋渡しを担うトランスレーショナル研究も強化しています。研究早期段階からヒトゲノム情報やヒトiPS細胞などの研究ツールとインフォマティクス技術を積極的に活用することで、標的分子の疾患との関連性を解析し、また新薬候補化合物のヒトにおける有効性をより正確に予測・評価できるバイオマーカーを見出し、創薬の成功確率の向上を図っています。
また重点領域に専門的に取り組む研究センターを設置することで、疾患ノウハウを蓄積・活用し、ヒト疾患バイオロジーを掘り下げ、医療ニーズを満たし得る新薬の創製を目指して、創薬の競争力強化に努めています。なお、創薬研究にとって必要不可欠な動物実験は、法律および関連指針等に則り、3Rs※を考慮し動物愛護に配慮した適正な実施を周知徹底しています。

※3Rs…Replacement、Reduction、Refinement

創薬方針

オープンイノベーションは小野薬品の生命線

世界のトップサイエンティストとの協働

1960年代、当社は、プロスタグランジンの創薬研究で大学など研究機関との提携を通じて新たな創薬シーズを見出し、画期的な新薬の創製につなげました。このような産学連携による創薬活動は、米国ハーバード大学のヘンリー・チェスブロウ教授がオープンイノベーションの概念を提唱した2003年よりも30年以上前のことです。
現在では、国内外で300件近くの研究・創薬提携が稼働しています。他社に先駆けて最先端の研究情報を掴み、創薬を進めるには、スピード感のある提携活動が重要です。探索研究提携部・事業開発部が各研究センターや開発本部などと連携し、重点領域を中心に世界のトップサイエンティスト達との研究・創薬提携および積極的な化合物ライセンス活動を行っています。

疾患専門性を強化

創薬研究においては、がん、免疫、神経、スペシャリティの4つを重点領域として取り組んでいます。これらの重点領域ごとに設置した、オンコロジー研究センター、イムノロジー研究センター、ニューロロジー研究センター、スペシャリティ研究センターでそれぞれの疾患ノウハウを蓄積し、治療満足度が低く医療ニーズが高い疾患の治療薬の創製に挑戦しています。

重点領域

主な取り組み

がん

腫瘍免疫のパイオニアとして、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボの研究開発で培ってきた経験や技術・ノウハウを活かし、第二、第三のオプジーボとなる画期的な抗がん剤創製を目指しています。オープンイノベーションやトランスレーショナル研究を通じて、独創的な創薬シーズの探索にも取り組んでいます。また、新しい創薬モダリティの利用にも挑戦しています。

免疫

オプジーボを生み出す土壌にもなった免疫研究を長年継続してきた経験を活かし、バイオ医薬を主軸に据えた創薬研究に取り組んでいます。自己免疫疾患やアレルギー疾患に対する画期的新薬の創製に挑戦しています。

神経

神経系を構成する神経細胞と、その生存や機能発現のために必要な環境の維持と支援に寄与しているグリア細胞に着目した研究に取り組んでいます。神経変性疾患や、精神疾患、慢性疼痛の患者さんのための、対症療法だけでなく根治療法となる革新的な医薬品の創製を目指しています。

スペシャリティ

適応疾患にとらわれず、アンメットニーズの高い疾患に対して、医療インパクトがあり、臨床的に価値のある医薬品の創製を目指しています。患者さん、医療従事者、社会における真の医療ニーズを的確に捉え、独自性の高い創薬に挑戦しています。

研究開発の特徴

医療ニーズの高い疾患領域を重点領域に据えて、医療現場に革新をもたらす新薬の創出をめざします。そのために、特定の研究分野で世界をリードする大学や研究機関、バイオベンチャー企業との研究・創薬提携を強化・拡充し、医療ニーズの高い分野での革新的な化合物の導入や新技術の獲得も積極的に進めています。

 

自社創薬

 

オープン
イノベーション

 

ライセンス活動

 

 

自社創薬

 

 

オープン
イノベーション

 

 

ライセンス活動

研究開発体制

 

研究体制

自由な発想で研究を進めるために異なる先端技術を持つ各分野の研究員が枠組みにとらわれずプロジェクトチームを結成し、お互いが交流し、刺激しあえる体制を取っています。

 

開発方針

日本・アジア・米国・欧州において新薬開発基盤の整備をさらに進めることで、効率的なグローバル開発体制の構築と臨床開発のスピードアップに取り組み、日本・アジアに加え、米国・欧州でも自社で承認申請を行うことのできる体制の構築を目指しています。

 

開発
パイプライン

 

研究者主導
研究支援

各種規程