2024.10.10
ライセンス

韓国LigaChem Biosciencesと抗体薬物複合体「LCB97」に関するライセンス契約およびConjuAll™ ADCプラットフォームを用いた新規ADC創製に向けた創薬提携契約を締結

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、本日、LigaChem Biosciences, Inc.(本社:韓国大田、CEO:Yong-Zu Kim、以下「LCB」)と固形がん領域においてファーストインクラスを目指した前臨床段階の抗体薬物複合体(ADC)であるLCB97に関するライセンス契約(以下「本契約」)およびLCB独自のConjuAll™ ADCプラットフォームを用いた新規ADC創製に向けた創薬提携契約を締結しましたので、お知らせします。

 LCB97は、LCB独自のConjuAll™ ADCプラットフォームを用いて、複数の固形がんに高発現していることが報告されているL1細胞接着分子(L1CAM)を標的として創製されたADCです。LCBがこれまでに実施した複数のがんモデルマウスにおいて、LCB97は強い抗腫瘍効果を示しています。

 本契約に基づき、当社は固形がんを対象にLCB97を全世界で独占的に開発・製造・商業化する権利を取得します。当社は、LCBに対して契約一時金、研究開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして最大で7億ドル、ならびに上市後の売上高に応じた段階的なロイヤルティを支払います。

 なお、本契約以外に、別途、両社間でLCBのConjuAll™ ADCプラットフォームを用いた新規ADC創製に向けた創薬提携契約を締結しました。この契約に基づき、当社はLCB独自のConjuAll™ ADCプラットフォームにおいて当社が選定する複数の標的に対して創薬されたADCの全世界での権利を取得します。当社は、標的に対する独占費用に加え、研究開発の進捗および売上高に応じたマイルストン、ならびに売上高に応じた段階的なロイヤルティをLCBに支払います。

 当社の執行役員 研究本部長である勝又 清至は、次のように述べています。「私たちは、固形がんの患者さんに新たな治療選択肢を提供するため、LCBとの提携を大変うれしく思います。LCBのADC技術は、がん治療に革新をもたらす可能性があり、当社のがん治療ポートフォリオの強化に貢献するものと期待しています。今後、LCBと緊密に連携し、革新的な治療薬を一日も早く患者さんに提供できるよう取り組んでまいります。」

 LCBのCEOであるYong-Zu Kimは、次のように述べています。「小野薬品とのパートナーシップを通じて、私たちのADC技術が世界中のがん患者さんに届けられることを大変うれしく思います。小野薬品の豊富な経験と専門知識を活かし、私たちのADCによるがん治療をさらに発展させることができると確信しています。この提携が、がん治療における新たな可能性を切り拓くことを期待しています。」

 なお、本件による当社の2025年3月期の連結業績への影響は軽微ですが、今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示します。

ConjuAll™ ADCプラットフォーム技術について

 ConjuAll™ ADCプラットフォームは、(1)部位特異的な安定した抱合、(2)がん選択的リンカー活性化、および(3)強力な薬物部分のがん選択的活性化の3つの改善された特性の付与により、これまでのADCの創出における課題を克服し、疾患の治療域が顕しく拡大することが期待されています。この技術により、正常細胞へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃することが可能になります。

LigaChem Biosciences, Inc.について

 LigaChem Biosciences, Inc.(LCB)は、臨床段階のバイオ医薬品企業であり、アンメットメディカルニーズの高い疾患を有する患者さんのために、従来のバイオ医薬品をより標的を絞り、より強力にするために、医薬品化学の専門知識を活用して、革新的な医薬品の発見と開発に取り組んでいます。LCBは、ADCのプラットフォーム技術を用いたオンコロジーの治療領域内の持続可能なパイプラインの創出に加え、抗生物質、抗線維化薬の創出を推進しています。詳細な情報については、https://ligachembio.com/index.php?lang=e をご参照ください。