豪州Monash大学と自己免疫疾患および炎症性疾患領域における新たな抗GPCR抗体を創製するための新たなオプション権付き研究提携契約を締結
-抗GPCR抗体を創製することを目的としたMonash大学との2つ目の研究提携-
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、本日、当社が自己免疫疾患および炎症性疾患の新規治療薬を創製するために、Monash University(オーストラリア、ビクトリア州メルボルン、以下「Monash大学」)とGタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とした抗体を創製することを目的とした新たなオプション権付き研究提携契約(以下「本契約」)を締結しましたので、お知らせいたします。
当社は、2023年1月にMonash大学と抗GPCR抗体を創製するためのオプション権付き研究提携契約を締結しています。
本契約は、前回の契約とは異なるGPCRの標的分子に対する新たな抗体を創製することを目的とした提携です。前回の契約と同様、本契約の締結に基づき、Monash大学のBiomedicine Discovery Instituteは、これまで標的とすることが困難であったGPCRを標的とする新たな抗体を創製します。当社は、Monash大学が創製する複数の抗体の中から、当社が選択する抗体を用いて創製した抗体医薬品を全世界で独占的に開発・商業化するためのオプション権を保有します。当社は、Monash大学に対し、契約一時金とオプション期間中の研究資金を支払うとともに、当社がオプション権を行使した場合は、開発および販売の進捗に応じたマイルストン、ならびに上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払います。
当社の執行役員 研究本部長である勝又 清至は、次のように述べています。「当社は、前回の契約に基づいて進めている研究プロジェクトを通じて、Monash大学が保有する抗GPCR抗体の創製技術がこれまで克服することが困難であった課題の解決につがる高度なものであることを確認しました。今回のMonash大学との本契約により創製される新たな抗GPCR抗体が、前回の提携で検討中の疾患とは異なる自己免疫疾患や炎症性疾患のアンメットメディカルニーズを満たすGPCRの新規の標的分子に対する抗体医薬品の創製に繋がることを期待しています。」
Monash大学、Biomedicine Discovery InstituteのRemy Robert准教授は、次のように述べています。「小野薬品と新たな契約を締結し、引き続き抗GPCR抗体の創製に関する私たちの専門知識と、医薬品開発における小野薬品の卓越した能力を統合できることをうれしく思います。前回の提携開始から18カ月間にわたり小野薬品と築いてきた強固な連携により、様々な疾患に対する治療法の進展を加速できたと確信しています。」
Monash大学、Medicine, Nursing and Health Sciences部門の企業およびパートナー担当シニア・ディレクターであるAlison Greenwayは、次のように述べています。「今回、小野薬品と引き続き連携できることをうれしく思います。この新たな提携は、新しい治療法の開発を加速させるために、業界の主要なパートナーと協働する創薬研究提携の素晴らしい事例であることを示しています。」
GPCRについて
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は最大の細胞表面受容体タンパク質ファミリーで、ヒトゲノム中に約800種存在します。GPCRを標的とした治療薬は、多くの疾患領域で主要な薬剤クラスを構成しています。
Monash大学について
Monash大学は、8万人以上の学生を擁するオーストラリア最大の大学です。設立以来60年の間に、世界をリードする影響力の高い研究、質の高い教育および刺激的なイノベーションで高い評価を得てきました。オーストラリアに4つのキャンパスを有し、マレーシア、中国、インド、インドネシアおよびイタリアに拠点があり、最も国際化されたオーストラリアの大学の1つです。
Monash大学は、60年以上にわたり、画期的な研究をインパクトのある商業的成果に導いてきました。私たちは、オーストラリアの産業と経済に力を与える商業化と人材プールの育成に力を注いでいます。Monashのスピンアウト企業は、気候変動のような地球規模の課題に対する持続可能な解決策を開発し、体外受精、心血管疾患、メンタルヘルスなどの科学的ブレークスルーを通じて人類を進歩させています。詳細については、https://www.monash.edu/monash-innovation をご覧ください。