韓国において、切除可能な非小細胞肺がんの治療法として、オプジーボと化学療法の併用による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボ単剤による術後補助療法に対する効能または効果の追加承認を取得
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「小野薬品」)は、韓国の現地法人である韓国小野薬品工業株式会社(所在地:韓国・ソウル特別市、以下「韓国小野薬品」)が、抗PD-1抗体、オプジーボ®点滴静注(一般名:ニボルマブ、以下「オプジーボ」)ついて、8月3日に「切除可能(腫瘍径≧4cmまたはリンパ節転移陽性)な非小細胞肺がん(NSCLC)を有し、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陰性または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子の再構成を伴わない患者の治療法として、プラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用による術前補助療法と、それに続く術後の単剤による術後補助療法」に対する効能または効果の追加承認を韓国食品医薬品安全処(MFDS)から取得しましたので、お知らせします。
今回の承認は、切除可能なNSCLCの成人患者を対象に、オプジーボとプラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボ単剤による術後補助療法(オプジーボ群)を、プラチナ製剤を含む化学療法2剤とプラセボの併用による術前補助療法と、それに続く術後のプラセボ単独による術後補助療法(プラセボ群)と比較評価したCheckMate-77T 試験(CA209-77T:ONO-4538-96)の結果に基づいています。本試験では、主要評価項目である盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無イベント生存期間(EFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。また、副次有効性評価項目である病理学的完全奏効(pCR)およびMajor Pathological Response(MPR)でも、臨床的に意義のある改善が示されました。本試験におけるオプジーボ群の安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
CheckMate-77T試験(CA209-77T:ONO-4538-96)について
CheckMate-77T試験は、切除可能なステージⅡA~ⅢBのNSCLC患者461例を対象に、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のオプジーボ単剤による術後補助療法を、プラセボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く術後のプラセボ単独による術後補助療法と比較評価した多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第3相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、EFSです。副次評価項目は、全生存期間(OS)、pCRおよびMPR等です。
肺がんについて
肺がんは、気管、気管支および肺胞の細胞が悪性化した腫瘍であると考えられています。肺がんは、組織型によって小細胞肺がんとNSCLCの2種類に分類されます。NSCLCは、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、肺がんの約80 - 85%を占めています1)。さらに、NSCLCは腺がん(肺がんの40%)、扁平上皮がん(同25%)、大細胞がん(同10%)等に分類されます2)。韓国では、年間で約3.3万人が新たに肺がんと診断され、肺がんによる死亡者数は、年間で約2.1万人と推定されており、がんによる死亡原因の第1位となっています3)。早期ステージの非転移性NSCLC患者の場合、手術が唯一の治療選択肢となる可能性があります。しかし、患者の30%~55%は再発を来す可能性があり、長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています4)。
オプジーボについて
オプジーボは、programmed cell death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。現在、日本、韓国、台湾、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されています。
日本では、小野薬品が2014年7月に根治切除不能な悪性黒色腫の効能または効果で承認を取得し、2014年9月に同適応症で発売しました。
その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫、2017年3月に再発または遠隔転移を有する頭頸部がん、2017年9月にがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん、2018年8月にがん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫、2020年2月にがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がんとがん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道がん、2021年12月に原発不明がん、2022年3月に尿路上皮がんにおける術後補助療法、2023年11月に悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)、2024年2月に根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍、2025年6月に切除不能な肝細胞がんの効能または効果の追加承認を取得しました。
小野薬品工業株式会社とブリストル マイヤーズ スクイブの提携について
2011年、小野薬品は、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と締結した提携契約により、当時、小野薬品がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、小野薬品とBMSは、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
韓国小野薬品工業株式会社(韓国小野薬品)について
韓国小野薬品は、2013年12月に設立された小野薬品の100%出資の現地法人です。韓国小野薬品は、韓国での自販体制を構築し、2015年から抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤、オプジーボ等の自社販売を行っています。韓国の患者さんにアンメット・メディカルニーズを満たすさらなる革新的な医薬品を一日も早くお届けできるよう、新規医薬品の開発、販売に取り組んでいます。
参考文献:
-
American Cancer Society; What Is Non-Small Cell Lung Cancer?:
https://www.cancer.org/content/cancer/en/cancer/lung-cancer/about/what-is.html -
Non-Small Cell Lung Cancer Treatment (PDQ®)–Health Professional Version, National Cancer Institute:
https://www.cancer.gov/types/lung/hp/non-small-cell-lung-treatment-pdq#_12_toc -
Globocan 2024; Patient Fact Sheets, Korea, Republic of. World Health Organization:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/410-korea-republic-of-fact-sheets.pdf - Cascone T, Awad M, Spicer J, et al. Perioperative Nivolumab in Resectable Lung Cancer.
N Engl J Med. 2024;390:1756-1769.