ベレキシブル®錠、悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)に対する効能または効果の追加に係る国内製造販売承認申請
- 悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)に対する国内製造販売承認の一部変更承認申請
- 本適応症に対する標準治療は確立されておらず、新たな治療薬が切望されている
- 今回の承認申請は、医師主導治験の第2相臨床試験の結果に基づく
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、本日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、ベレキシブル®錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩、以下「ベレキシブル」)について、悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)に対する効能または効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたので、お知らせします。
今回の承認申請は、国立がん研究センター中央病院ほか国内多施設の参画の下、再発または治療抵抗性の二次性中枢神経系リンパ腫(SCNSL)を対象にベレキシブルを評価した医師主導治験(NCCH2201/MK013試験)の第2相臨床試験の結果に基づいています。
SCNSLは全身性の悪性リンパ腫が中枢神経系へ浸潤した病態であり1), 2)、発症時に中枢神経系に病変が限局する中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)とは区別されます。SCNSLでは病変の部位によって脳神経麻痺、手足の麻痺、視覚症状などの局所症状のほかに、頭蓋内圧亢進に関連する頭痛、悪心・嘔吐や意欲減退を含む精神症状を呈します3)。
現在、日本ではSCNSLに対して、高用量メトトレキサート療法を基盤とする薬物療法が行われておりますが4), 5)、治療後に再発するなど既存治療で十分な効果が得られなかった患者さんや、既存治療が実施できなかった患者さんに対する標準治療は確立されておらず、新たな治療薬が望まれています。
なお、ベレキシブルは、厚生労働省より、2026年5月18日に悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)を効能または効果とする希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査の対象となっています。
NCCH2201/MK013試験 (CRYSTAL試験)について
本試験は、再発または治療抵抗性のSCNSL患者を対象に、ベレキシブル単剤投与の有効性および安全性を検討することを目的とした医師主導による多施設共同非盲検非対照第2相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、奏効率(中央判定)です。副次評価項目は、奏効率(施設判定)、無増悪生存期間、全生存期間、奏効期間等です。
本試験の結果は、6/11から6/14までスウェーデンのストックホルムで開催される欧州血液学会(EHA)2026にて発表される予定です。
なお本試験は、国立がん研究センター中央病院が産学共同で希少がんの治療開発を推進するMASTER KEYプロジェクト*の副試験として実施したものです。
*https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/masterkeyproject/index.html
ベレキシブルについて
ベレキシブルは、当社が創製した選択性の高い経口BTK阻害剤であり、B細胞受容体シグナル伝達は、B細胞系リンパ球の生存、活性化、増殖、成熟および分化に関する中心的役割を担っております。
日本において、当社は2020年3月に再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫の効能または効果で製造販売承認を受け、2020年5月にベレキシブル®錠として発売しました。その後、2020年8月に日本で原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫の効能または効果の追加承認を取得しました。韓国では、2021年11月、台湾では2022年2月に再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫の効能または効果で承認を取得しています。米国では2026年2月に再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫に対する新薬承認申請が受理されています。
参考文献:
- Cwynarski K, Cummin T, Osborne W, et al. Management of secondary central nervous system lymphoma. Br J Haematol. 2023;200:160-9.
- Bobillo S, Khwaja J, Ferreri AJM, Cwynarski K. Prevention and management of secondary central nervous system lymphoma. Haematologica. 2023;108:673-89.
- Calimeri T, Lopedote P, Ferreri AJ. Risk stratification and management algorithms for patients with diffuse large B-cell lymphoma and CNS involvement. Ann Lymphoma 2019;3:7.
- 日本脳腫瘍学会. 脳腫瘍診療ガイドライン 2024年版 [cited 2025 Nov 6].
Available from: https://www.jsn-o.com/guideline2024/metabraintumor2024.html - 日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版) [cited 2025 Nov 25].
Available from: https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/table.html