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2026.06.11
研究開発

オプジーボ®点滴静注、根治切除不能な甲状腺未分化がんに対する効能または効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請

  • 根治切除不能な甲状腺未分化がんに対する国内製造販売承認の一部変更承認申請
  • オプジーボとレンビマの併用療法を評価した医師主導治験で主要評価項目である奏効率を達成
  • 本併用療法の安全性については管理可能なプロファイルであることを確認

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、本日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体、オプジーボ®点滴静注(一般名:ニボルマブ、以下「オプジーボ」)について、根治切除不能な甲状腺未分化がんに対する効能または効果の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたので、お知らせします。

 今回の承認申請は、国立がん研究センター東病院主導の下、根治切除不能な甲状腺未分化がんを対象にオプジーボと、エーザイ株式会社が創製した腫瘍血管新生および腫瘍増殖等に関与する受容体チロシンキナーゼを阻害するレンビマ®(一般名:レンバチニブメシル酸塩、以下「レンビマ」)の併用療法を評価した医師主導治験(NAVIGATION試験:YCU18001)の第2相臨床試験の結果に基づいています。本試験の結果は、奏効率が47.6%(95%信頼区間:33.4~62.3%)であり、主要評価項目を達成しました。安全性については適切な対処を行うことで管理可能でした1)

 甲状腺未分化がんは、甲状腺がんの一種で、高度な構造異型および細胞異型を呈する上皮性悪性腫瘍です2), 3)。国内での患者数は約170~1,640人と推定される希少ながん腫である一方、予後は不良です4), 5)。根治切除不能な甲状腺未分化がんに対する承認薬はいくつか存在しますが、治療選択肢は限られています。甲状腺未分化がんに対する標準治療は未だ確立されておらず、新たな治療法の開発が切望されています。

 なお、オプジーボは、厚生労働省より、2026年5月18日に根治切除不能な甲状腺未分化がんを効能または効果とする希少疾病用医薬品の指定を受けています。

NAVIGATION試験について

 本試験は、根治切除不能な甲状腺未分化がんを対象に、オプジーボとレンビマの併用療法の忍容性、安全性および有効性を検討することを目的とした医師主導による多施設共同非盲検非対照第2相臨床試験です。患者はオプジーボ240 mgを2週間間隔およびレンビマ24 mgを1日1回で投与を受けました。本試験の有効性の主要評価項目は、奏効率(中央判定)です。副次評価項目は、奏効率(医師判定)、病勢制御率、無増悪生存期間、全生存期間等です。

オプジーボについて

 オプジーボは、programmed cell death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。現在、日本、韓国、台湾、中国、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されています。
 日本では、当社が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫、2017年3月に再発または遠隔転移を有する頭頸部がん、2017年9月にがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん、2018年8月にがん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫、2020年2月にがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がんとがん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道がん、2021年12月に原発不明がん、2022年3月に尿路上皮がんにおける術後補助療法、2023年11月に悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)、2024年2月に根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍、2025年6月に切除不能な肝細胞がんの効能または効果の追加承認を取得しました。

小野薬品工業株式会社とブリストル マイヤーズ スクイブの提携について

 2011年、当社は、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と締結した提携契約により、当時、当社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、当社とBMSは、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

参考文献:

  1. Tahara M, Kiyota N, Saijo K, et al. Nivolumab plus lenvatinib for unresectable anaplastic thyroid cancer: Results of the phase 2 NAVIGATION study. Proceedings of the ASCO Annual Meeting. 2026; Rapid oral presentation. Abstract 6021.
  2. 日本内分泌外科学会 甲状腺腫瘍診療ガイドライン作成委員会編. 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024.
  3. 日本内分泌外科学会・日本甲状腺病理学会編. 甲状腺癌取扱い規約 第9版.
  4. 厚生労働省. 令和5年患者調査.
  5. がんの統計編集委員会編. がんの統計2026年版.