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2026.06.02
研究開発

ONO-4578(EP4 拮抗薬)の胃がんを対象とした第 2 相臨床試験での新たなデータを2026 年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において発表

  • ONO-4578は、オプジーボおよび化学療法との併用療法に上乗せして併用することで、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)をプラセボ併用群と比較して統計学的に有意に延長(ONO-4578併用群およびプラセボ併用群のPFS中央値は、それぞれ9.0および6.9カ月)
  • 特に、PD-L1 CPS≧1のサブグループ集団におけるONO-4578併用群のPFS中央値は9.9カ月であり、プラセボ併用群の5.7カ月と比較して、より良好で臨床的に意義のある延長
  • 本試験の良好な結果を受け、現在、第3相試験開始に向け準備中

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、本日、EP4拮抗薬ONO-4578について、HER2陰性で化学療法未治療の治癒切除不能な進行または再発の胃がん(食道胃接合部がんを含む)を対象とした第2相臨床試験( ONO-4578-08試験 )の結果を 2026年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会 において発表したことをお知らせします。
 本試験において、ONO-4578を標準治療の一つである抗PD-1抗体オプジーボおよび化学療法と併用したONO-4578併用群およびプラセボ併用群におけるPFS中央値は、それぞれ9.0および6.9カ月であり、ONO-4578併用群はプラセボ併用群と比較して統計学的に有意なPFSの延長を示しました(HR 0.67 [90% CI: 0.48-0.92], P=0.040)。また、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)についても、ONO-4578併用群で良好な結果が確認され、ONO-4578併用群およびプラセボ併用群におけるOS中央値はそれぞれ未達および12.7カ月(HR 0.60 [95% CI: 0.37-0.96])、ORRはそれぞれ62.0および48.7%(オッズ比1.72 [95% CI: 0.98-3.00])でした。
 さらに、これらの臨床的ベネフィットは、PD-L1 CPS≧1のサブグループ集団においてより顕著で、ONO-4578併用群およびプラセボ併用群におけるPFS中央値はそれぞれ9.9および5.7カ月(HR 0.52 [95% CI: 0.34-0.79])、OS中央値はそれぞれ未達および12.7カ月(HR 0.44 [95% CI: 0.26-0.77])、奏効率はそれぞれ70.9および50.9%(オッズ比2.36 [95% CI: 1.22-4.54])であり、当該集団における標準治療の1つである抗PD-1抗体薬と化学療法の併用療法に対するONO-4578の上乗せ効果が示唆されました。
 なお、本試験において安全性上の新たな懸念は認められませんでした。

 本試験の良好な結果を受け、現在、第3相臨床試験開始の準備を進めています。

ONO-4578-08試験について

 ONO-4578-08試験は、HER2陰性で化学療法未治療の治癒切除不能な進行・再発の胃がんまたは食道胃接合部がんを対象に日本、韓国および台湾で実施された多施設共同無作為化第2相臨床試験です。ONO-4578とオプジーボおよび化学療法(S-1+オキサリプラチンまたはカペシタビン+オキサリプラチン)の併用療法群をプラセボとオプジーボおよび化学療法の併用療法群と比較評価しました。本試験では、ONO-4578 40 mgを1日1回、オプジーボ 360 mgを3週間間隔で化学療法と併用投与し、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで継続投与しました。本試験の主要評価項目は、PFSです。

胃がんについて

 胃がんは、日本では年間約12.6万人1)(世界全体で約96.8万人2))が新たに診断されています。胃がんによる死亡者数は、日本では年間約4.3万人1)(全世界で約66.0万人2))と推定されており、日本では、新規患者数および死亡者数が、いずれも結腸・直腸がん、肺がんに次いで3番目に多いがん腫です。HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する一次化学療法の標準治療は抗PD-1抗体と化学療法の併用療法が承認されていますが、依然として治癒が困難であり、本疾患の患者さんに新しい治療選択肢が必要とされています。

ONO-4578について

 ONO-4578は、当社が創製したプロスタグランディンE2(PGE2)受容体の一つであるEP4受容体に対する経口投与可能な選択的拮抗薬です。がん細胞から産生されるPGE2は、種々の免疫細胞に発現するEP4受容体を介して、がんを排除する免疫の働きを抑制しています3)~5)。ONO-4578は、EP4受容体を介したPGE2の作用を抑制し、がんを排除する免疫応答を回復することで抗腫瘍効果を発揮することが期待されます6)。三次治療以降の治癒切除不能な進行または再発の胃がん(食道胃接合部がんを含む)を対象とした第1相試験において、ONO-4578およびオプジーボの併用療法は、抗腫瘍効果および管理可能な安全性プロファイルを示しました7)。当社は、現在、結腸・直腸がんを対象とした国際共同第2相試験をはじめとする複数のONO-4578の臨床試験を実施中です。

参考文献:

  1. Globocan 2022: Stomach Cancer, Japan, World Health Organization Available at:
    https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/populations/392-japan-fact-sheet.pdf
  2. Globocan 2022: Stomach Cancer, World, World Health Organization Available at:
    https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/populations/900-world-fact-sheet.pdf
  3. Obermajer N, et al. Transplant Res. 2012;1:15.
  4. Ylöstalo JH, et al. Stem Cells. 2012;30:2283-96.
  5. Okano M, et al. Immunology. 2006;118:343-52.
  6. Kotani T, et al. Cancer Res. 2020;80:16_Supplement 4443.
  7. Kawazoe A, et al. Cancer Sci. 2025;116:2523-36.