グローバル展開
グローバル事業の拡大と加速
デサイフェラ社の獲得でグローバル事業を加速
執行役員/事業戦略本部長
谷川 雅之
デサイフェラ社の獲得でグローバル事業を加速

執行役員/事業戦略本部長
谷川 雅之
当社は、革新的な医薬品を世界中の患者さんに届けるため、グローバルスペシャリティファーマとしての成長を目指しています。昨年、米国のバイオ医薬企業Deciphera Pharmaceuticals(デサイフェラ社)を買収し、同社の研究開発力や欧米での販売体制を獲得しました。これにより、欧米市場での自社販売体制を強化し、グローバル展開を加速させています。PMI(買収後統合)では、経営方針や組織文化の理解を深め、ガバナンス体制の構築や業務プロセスの標準化を進めています。デサイフェラ社はがん領域に加え、ほかの疾患領域においても欧米での開発・販売を担う重要な拠点となります。今後はTirabrutinib(ONO-4059)やSapablursenの開発・販売をデサイフェラ社が中心となり推進していきます。また、変化する外部環境に迅速に対応するため、ライセンスとM&Aを推進する事業戦略統括部とグローバル事業展開を推進するグローバル事業統括部を設置しました。両部門が専門性を活かし、機動力と実行力を高め、グローバル事業の拡大と加速を図ってまいります。
グローバル企業への成長に向けたステップ
グローバル戦略の進展
買収による戦略の発展
当社は革新的な医薬品を世界中の患者さんにお届けするグローバルスペシャリティファーマを目指しています。その取り組みを加速させるべく、昨年デサイフェラ社を買収し、同社が持つパイプライン、研究開発力、そして欧米における販売体制を獲得しました。加えて、当社の成長に重要となるグローバル展開のさらなるスピードアップを目指して、欧米の各拠点(現地法人)の機能を再編しました。再編では、これまで米国における開発・販売拠点として主要な役割を担ってきたONO PHARMA USA, INC.の機能を2025年7月、デサイフェラ社に統合。ONO PHARMA UK LTD.の開発機能も閉鎖しました。デサイフェラ社の買収による欧米自販体制の獲得と、欧米の機能集約を経て、成長戦略に関わるマテリアリティである「欧米自販の実現」を達成したことから、戦略を「グローバル事業の拡大と加速」へとアップデートしました。
PMIの進捗(経営、業務、組織文化の統合)
2024年のデサイフェラ社の買収完了後、相互に経営方針、経営状況、組織文化および業務内容等の理解を深めてきました。さらに、PMI(買収後統合)を見据えて、ガバナンス体制の構築、業務プロセスの標準化、サプライチェーンの検討、中期経営計画の統合、そして現地法人の機能再編を行ってきました。その結果、デサイフェラ社は、既存のがん領域に加えて、ほかの疾患領域における欧米での開発および販売を担う当社グループの事業拠点となります。Tirabrutinib(ONO-4059)やアイオニス社からグローバル権利を導入したSapablursenの開発および販売準備についても、デサイフェラ社を中心に進めていきます。早期段階の開発品に関しても、グローバルでの臨床試験はデサイフェラ社と共に進める体制を構築中です。今後、欧米におけるデサイフェラ社の基盤、ガバナンス体制、業務プロセスなどを継続的に改良、強化するよう努め、当社のグローバル事業を拡大し加速していきます。併せて、自社品の研究開発の加速および導入品の獲得機会の創出を通じて、さらなるパイプライン強化に取り組んでいきます。
解消すべき課題と今後の取り組み
PMIにおける課題の一つに、異なる価値観や企業文化を互いに理解して、さらに企業価値を高めていくことが挙げられます。デサイフェラ社が持つ企業理念である「One Mission」や、行動指針として患者さんへの意識や説明責任といった意味を含む「PATHS」は、当社が掲げるミッションステートメントと通ずるものです。統合前の段階で、相互理解のため各部門においてコミュニケーションを進めてきましたが、統合後、実際にお互いの化合物の開発や販売を一緒に取り組む段階となり、一層深い相互理解が必要となりました。そのために、企業理念に加えて中長期的な目標を共有し、各部門が実践を通じて互いの文化を共有し合う、そのようなプロセスを繰り返し行うこととしました。具体的な取り組みとしては、2024年度から当社経営陣がデサイフェラ社を何度も訪問し、直接企業理念を伝え、相互に意見交換をし、共通の目標設定を進めてきました。加えて、プロジェクト運営を通じて、部門間でのさらなる活発なコミュニケーションを取り合ってきました。その結果、いまだ道半ばではあるものの、ミッションステートメントは徐々に浸透し、価値観や文化の相互理解が進んでいます。グローバル事業を一層拡大、加速できる企業体制の実現に向けて、着実に歩みを進めている段階です。