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設 立 趣 意 書
近年、わが国の平均寿命の伸長は目覚ましく、既に世界の最高水準に達しているが、全ての国民が健康で活動的な生活を送っているわけではなく、例えば65才以上の老人の傷病人数は56%にも達している。
したがって、今後より高度の種々の成人病の病態の解明と治療薬剤の開発が重要であることは論を待たない。これら種々の成人病の中で、脂質代謝異常によると考えられる疾患がかなりの部分を占めているのも周知の事実である。
成人病と脂質代謝についての研究は、従来主として血清コレステロール面からアプローチが中心であり、特に動脈硬化とコレステロールの関係に対する研究が盛んであった。
しかしながら、最近の生化学的研究の進歩は脂質代謝に関する知見と分析の向上をもたらし、それにより脂質代謝異常の病態生理の研究が進むにつれ、脂質代謝異常は単に動脈硬化だけでなく、成人病の代表疾患とされる糖尿病、心筋梗塞、肝臓病、腎臓疾患等へも深い関わりあいを有することが明らかになりつつある。
それ故、脂質代謝異常に伴う諸疾患の病態生理、メカニズム解明の研究とこの研究を通しての創造性の高い治療法の開発は医療内容の向上として国民に測り知れない恩恵を与えるものである。
このような観点から医療現場に密着した脂質代謝異常の分野での優秀な研究をさらに推進し、積極的に医療活動に資するため、権威ある学者の協力を得て、この分野の研究助成等を行うとともに、研究成果については、その研究報告集等を刊行することを目的として本財団の設立を行うものである。
1988年10月26日
設立発起人 |
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設立年月日 | 1988年11月21日 |
主務官庁 | 厚生省 |